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歯科

獣医師のご紹介

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獣医師

森田 慶

Morita Kei

毎月第四火曜日に当院にて歯科専門外来を担当

[ 診察可能曜日 ]

毎月第四火曜日の午前(完全予約制。別の日に事前に他の獣医師による診察が必要です。)

[ 所属 ]

神宮プライズ動物病院/東京動物耳科センター 副院長および歯科診療専任
Anicure動物病院 歯科専門外来担当
他、6病院にて歯科診療を中心に診療業務に従事
比較歯科学研究会所属

[ 経歴 ]

2016年 麻布大学卒業後、一般病院に勤務しながら東京農工大学動物医療センター2種研修医を兼任。
杉並動物循環器クリニック研修医、富岡総合医療センター内科研修医を経て2020年にリライフアニマルクリニック副院長就任、同年に東京動物耳科センターの副センター長兼任。
2022年 Vets ACADEMY 歯科学 Basic Course 修了
2023年 VSJ COLLEGE 歯科学 修了
歯内療法ベーシック in Tokyo 修了

『歯を残す治療という専門性』

動物の歯科は従来、悪い歯を抜くという治療が一般的でした。
しかしながら、歯科の最先端技術を学びたいという想いから、人の歯科医院で勉強を重ねるうちに人医療では「いかにして歯を残すか」という治療が進んでいることを目の当たりにしました。
抜くべき歯と残すべき歯をしっかり見極め、飼い主様のご意向と動物達の健康を守るための最善策をご提案できればと思います。

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治療の特徴

VALUE.01

浸潤麻酔を用いた低侵襲の歯科処置

人間と同様に浸潤麻酔と全身麻酔を組み合わせることで、施術後の痛みを最小限に抑えます。

VALUE.02

歯周組織再生治療の導入

人間の歯科医院で学んだ専門技術を応用し、進行した歯周病も歯を温存できる場合があります。

VALUE.03

充実したアフターケア

歯科治療は歯が綺麗になってからが始まりです。歯磨きの習慣を二人三脚で実践していきましょう。

こんな症状はありませんか?

  • ・口が臭う
  • ・歯が汚れている
  • ・歯石の沈着が気になる
  • ・くしゃみ/鼻水が出る
  • ・硬いものを噛むときに痛がる
  • ・涎が出る
  • ・口を痛がる
  • ・乳歯が残っている

症例

①軽度歯周病の治療[犬]

治療前 症状イメージ画像 治療後 症状イメージ画像

[ 概要 ]

最近口の臭いが強くなった気がするという理由で来院された4歳のトイプードルです。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患で、歯だけではなく歯を支える組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨)が壊れてしまう病気です。
世界的に3歳齢以上の犬の84%が歯周病に罹患しているという報告があります。
また、犬において、歯周病と腎臓、肝臓および心筋の組織学的変化との関連が報告されています。
歯周病は数多くのペットが抱えながら、進行すると全身に影響を及ぼすという恐ろしい病気です。
この症例は上顎切歯、犬歯、第四前臼歯を中心に歯石の沈着を認め、レントゲン上では軽度の歯周病を疑う所見を認めました。

[ 治療 ]

まず、全身麻酔下で歯と歯を支える歯槽骨の状態をレントゲン撮影によって把握します。
この検査によって歯周病の進行度合いが判断されます。
その後、専用器具を用いて歯を覆っている歯石や歯垢を丁寧に除去していきます。
全身麻酔下のでスケーリング(歯石除去)に加え、歯槽骨が軽度に誘拐していた第四前臼歯ではルートプレーニングとキュレッタージを行いました。
これらの治療をすることで、歯周ポケット内の歯石や歯垢を徹底的に除去し、深くなってしまった歯周ポケットを回復させる効果が見込めます。
また、歯石除去後にはポリッシングを行い、歯の表面をツヤツヤに磨くことで歯垢が再度付着することを防ぐ効果も見込めます。

②破折歯の生活歯髄切断

治療前 症状イメージ画像 治療後 症状イメージ画像

[ 概要 ]

歯が折れてしまったという主訴で来院されたワンちゃんです。犬猫の歯は人と同じく、歯の中に神経や血管が通っています。
歯が欠けてしまい、神経(歯髄)が出てしまった状態を露髄と言います。
露髄が起こってしまうと、細菌が歯の内部に侵入し、細菌感染が起き、歯髄は壊死し、症状が進むと根の先の炎症根尖性歯周炎が起きてします。
また、露髄はしなくても歯が欠けて内部の象牙質が露出してしまうと、知覚過敏などの症状につながると言われています。
いずれにしても欠けた歯は放っておかずに適切な治療を施す必要があります。

[ 治療 ]

露髄を伴う破折歯は場合、生活歯髄切断、抜随治療、抜歯が適応になります。
簡単に言うと生活歯髄切断は歯髄を温存する治療法、根管治療は歯髄を抜き詰め物をする治療法です。
歯髄を温存できるかどうかは以下のポイントが重要です。
・露髄してからの時間経過(1~2日以内かどうか)
・根尖周囲病巣の有無
・治療時の歯髄出血の時間(5分以内に止血できるかどうか)
この症例は上記適応に当てはまり、神経を温存する生活歯髄切断法にて神経を残す治療を行いました。

猫の歯肉口内炎

治療前 症状イメージ画像 治療後 症状イメージ画像

[ 概要 ]

口内炎は猫の口腔内に生じる過剰な免疫反応によって引き起こされます。
細菌性、ウイルス性、免疫性など様々な要因が複合的に絡んでおり、正確な原因はわかっていません。
抗生物質やステロイド、痛み止めなどによる内科的な治療が奏功することもありますが、徐々に効かなくなってしまうという報告があります。
また、ステロイドの使用期間が長ければ長いほど、外科的治療後の症状消失までの時間が長くなってしまうという文献もあります。
このように、内科治療は根本的な解決にならないばかりか、効かなくなる、他の治療を邪魔してしまうリスクもあるため基本的に猫の口内炎は原因である歯を抜いてしまう抜歯処置が適応になります。
抜歯によって、歯が存在することによって起こる過剰な免疫反応を抑え、口腔内の衛生環境を正常に保つ効果が期待できます。

[ 治療 ]

この症例は口の痛みによりご飯が食べられないという主訴で来院され、抜歯処置を行いました。
抜歯処置には2種類あり、前歯(切歯)と牙(犬歯)を残し奥歯(臼歯)をすべて抜歯する全臼歯抜歯と、切歯や犬歯も含めた全ての歯を抜歯する全顎抜歯があります。
前臼歯抜歯は60~70%の症例で内科的治療からの離脱や減薬に成功、全顎抜歯では60~95%の症例で内科的治療からの離脱や減薬に成功したというレポートがあります。
この症例では、犬歯と切歯を残す全臼歯抜歯を行ったところ、食欲が改善し3kgだった体重が4.8kgまで戻りました。
家ではよく遊ぶようになったとのことです。
症状の程度や場所によっても治療方針は異なりますが、いずれにしても歯があることで一生続く症状を和らげるには、麻酔リスクを適正評価した上で歯を抜いてあげるのが一番の近道だと言えるでしょう。

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